レビュー

【書評】『教えないスキル ~ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術~』佐伯夕利子

こういう人におすすめ

○ スポーツの指導に携わる人
○ 子どもに関わる全ての人

いつもの如く、私のAMAZON Kindle先生はすごい!
私が必要とする書籍をピンポイントで紹介してくれる
今回、紹介してもらえたのはこの書籍!

この佐伯氏の『教えないスキル ~ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術~』だが、スポーツ指導者はもちろんのこと
子どもや孫がスポーツをやっているような人も読んでおいたほうが良い書籍だと思う。

現在私は小学生から高校生までとあるスポーツの指導者をさせてもらってる。
スポーツの現場では、暴力による指導をする指導者はどんどん居場所をなくしている状況だ。
私の住む町でも、全国大会に何度も送り出していた、地域の名物コーチは、生徒の胸部を小突いたということで保護者一同から抗議を受け追い出されてしまった。
まあ、胸を小突いたという一点だけでなく、それまでに積もり積もった暴言や眉を顰める振る舞いが積もり積もってのことではあるんだけど。
こういった指導者が排除されている状況は、指導を受ける選手には、とても良いことだと思っている。

しかしながら、あからさまなパワハラ、セクハラは少なくなっているが、一方的な指導で選手を追い詰めていくタイプの指導者がまだ残っている。
保護者でも、応援のつもりなんだろうけど、子どもたちをコントロールしようとするような声掛けやミスを叱責するような声掛けをする人も少なくない。

以下、佐伯夕利子さんのツイートより

そうしたなか、選手への声掛けとか接し方が大きく変わってきていて、ちょっと昔に部活やってました。とか全国大会目指して頑張ってました。っていうコーチ世代や親世代の考え方は全く許されなかったりする。
選手を監督・コーチ、親の操り人形ではなく、自分で考えることができる選手に育てようと、指導の目指す方向性が変わってきていて、その効果も実証されつつある。
最近の若い世代が世界でも結果をだしていることが、その指導方法の正しさを証明してるとしても、それを理解できる人、ましてや実感できる人は多くない。

ホリエモンの言う若い世代がどう違うのかっていうのは、そういう指導方針が変わってきたことも大きい

でも、こうした指導の導入段階では、どんなことで怒るべきなのか、ネガティブなフィードバックはどのような場面で行うべきなのかが分からなくなることは結構多い。
「なんでもOK。大丈夫だよ!」と、なれば選手や子どもになめられて統率が取れなくなるという、これまた困った状況を迎える恐れもある。
職場などでも、パワハラを恐れ、叱ることが難しいと感じている人も多いことだろう。
ここで、佐伯氏がビジャレアルでまだんだという「人に対する時の基本ルール」は、とても参考になる。
一部をお伝えすると、選手の姿勢や態度、取り組み方についてはコーチの感情を出して叱ってもいいのではないかということ。
あらかじめ「何に対して」叱るべき怒るべきなのかをあらかじめ決めておくのだと。

本書は、子どもがスポーツを始めました!という人は必読です。
子どもがスポーツを始めれば、よその家の子どもとの関りも生まれます。彼らの足を引っ張ることがないように、しっかり学ぶべき!

そして、本書の内容は、おそらくスポーツだけでしか活用できないものではありません。
リスペクトを持ちながら他者にかかわらなければならないすべての人の参考になる本です。ぜひ本書を手に取り、考え方をアップデートしましょう!